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2023.10.24
税務監査の際に税務署が注視する「源泉所得税」のキーポイント
税務監査の際に指摘を受けやすい要素は数多く存在しますが、その中でも年末調整の瑕疵や源泉所得税の不適切な徴収は特に着目される課題の1つと言えます。 この記事では、源泉所得税の基本的な理解を深めると共に、税務監査における源泉所得税に対する注視ポイントについて、明快で理解しやすい説明を提供します。 [uemura_kanshu] 源泉所得税とその特性 源泉所得税とは何か、それは何に対して課せられる税金なのでしょうか。 1.1 会社が従業員のために支払う所得税 源泉所得税とは、具体的には、従業員の給与に対して課される税金で、従業員が受け取る給与から一定の計算法に基づいて控除され、企業から直接国へ納められます。このプロセスは一般に源泉徴収と呼ばれ、徴収された税金が「源泉所得税」と呼ばれます。 現在、給与所得者は約5,928万人とされ、もし全ての人が個別に所得税の手続きをするとなると、税務署に大きな負担がかかってしまいます。それを避けるために源泉徴収という方式が採用されています。 1.2 源泉所得税が税務調査で注目される理由 源泉所得税が税務調査の注目点となる主な理由は以下の通りです [icon name="check" prefix="fas"] 税金の徴収漏れ [icon name="check" prefix="fas"] 年末調整の計算誤り [icon name="check" prefix="fas"] 記録の誤り等 詳細は次の章で説明しますが、源泉所得税は一定の計算表に従って徴収し、年末調整で最終的な税額を確定します。そのため、最終的な税額の計算ミス、従業員の記録ミス、年末調整の書類不備など、修正が必要となる可能性があります。 次に、具体的に税務調査で源泉所得税のどの部分が指摘されやすいか、詳しく見ていきましょう。 税務調査で焦点となる源泉所得税のポイント 源泉所得税の申告において税務調査で指摘を受けやすいポイントは以下の通りです。 2.1 年末調整について 毎月の源泉所得税を納め、年末調整を行って納税期限までに申告・納税することが求められます。この際、計算が適正に行われているかどうかは、税務調査で厳しく確認されます。 年末調整の際には、企業が従業員に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などを提出させます。ここで、従業員の記入ミスや、必要な書類が添付されていない場合などがあれば、税務調査で指摘される可能性が高いです。 また、残業やシフト等で毎月の給与が変動する場合、税額表に基づいて適正に計算が行われているかどうかもチェックの対象となります。 2.2 経費として計上すべきでない給与所得 経費として計上しているが、実際には給与として支払われるべき項目も、税務調査の対象となります。 例えば、従業員の個人的な旅行や飲食費を企業が支払い経費として計上する場合や、備品や消耗品、娯楽費等を経費として計上するケースなどが該当します。これらは本来、給与として支払うべきものが経費として計上されており、源泉所得税の再計算が必要となる場合があります。 また、特別賞与や報酬、退職金などに関して所得税が適切に課税されていないケースも見受けられます。 2.3 その他の源泉徴収漏れについて解説…
- 期限後申告
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2023.10.23
赤字会社も税務調査はくる?消費税還付企業、要警戒か?
赤字状態のあなたの会社が、税務調査の対象になる可能性はあるのでしょうか? 消費税の還付を享受しているケース、または損益通算を実施している状況にある企業は、特に注意が必要なのでしょうか? 本記事では、税務署から赤字企業への税務調査がどれほど頻発しているのか、そして税務調査を引き寄せやすい法人の特性について明かします。 赤字申告の結果、税務調査が差し迫っている可能性を探りたい方、あるいは税務調査を招きやすい企業の特徴を把握したいという方は、ぜひ本記事をご参照ください。 [uemura_kanshu] 赤字会社だからと言って税務調査の心配なし?消費税還付企業は要警戒か? 赤字のあなたのビジネスでも、税務調査の対象から逃れられると考えているかもしれません。そして、「税務署は調査費用を掛けるくらいなら、利益を上げている企業だけを調査するだろう」という考え方もあるでしょう。 しかしながら、税務署の目線から見れば、一見利益が出ていない会社であっても、調査対象となる可能性は十分に存在するのです。 1.1 申告漏れ額や追徴税額は増加傾向に 国税庁の公開情報を見てみると、法人税や消費税、源泉所得税などに対する調査実績が毎年発表されています。 2022年3月時点の最新データによると、令和2事務年度の税務調査件数は前年度に比べて3割程度に抑えられましたが、それはコロナの影響もあるでしょう。 しかしながら、1件あたりの追徴税額を見ると、約7,806,000円となっており、前年度の約2.5倍の額に増えています。これは、税務署が情報収集に力を入れ、追徴税額が大きな企業を中心に調査を行った結果と言えます。 1.2 書面や電話による簡易な接触調査も実施 また、税務調査は本格的なものだけでなく、書面や電話、税務署への面談などの簡易な接触も頻繁に行われています。 簡易な接触でも、納税者に対して申告内容についての指摘を行い、修正申告を促す点は実地調査と同じで、その結果、数十億円もの追徴税額が発生しています。 1.3 赤字でも申告に誤りがあれば調査対象 税務署は「申告内容に不審な点や誤りがないか」「申告漏れや過少申告がないか」を重視しています。 つまり、適正な申告・納税を促すことが目的なので、黒字赤字に関わらず、全ての会社が税務調査の対象となる可能性があるのです。 だからこそ、どのような企業が税務調査に選ばれやすいのか、以下で詳しく解説します。 調査対象となりやすい企業の特徴 税務調査の対象として選ばれやすい企業には、以下の特徴があります。 2.1 黒字であるのに赤字を偽装している 実際には黒字であるにも関わらず、帳簿操作で赤字に偽装している企業は調査対象となりやすいです。特に経費の水増しや売上の期ズレ、赤字の欠損繰戻しなどがある場合には注意が必要です。 欠損繰戻しによる還付申請があった場合、税務署は欠損の事実を調査します。これにより、赤字の偽装が明るみに出る可能性があります。 2.2 消費税還付を受けていると対象になりやすい 消費税の不正還付を受けた企業からは、総額34億円の不正還付が発見され、219億円も追徴されたことが公表されています。消費税還付を受ける企業は、調査対象となる可能性が高いと言えます。 2.3 不正が見つかりやすい業種について解説 税務署や国税庁は、過去のデータから、申告漏れや追徴課税、申告内容の誤りなどが発生しやすい業種を公表しています。 令和2事務年度には、バー、クラブ、外国料理、美容、医療保健、生鮮魚介卸売、土木建築工事、中古品小売など、不正発見割合の高い業種が公表されています。これらの業種に該当する企業は、他の業種に比べて税務調査対象となりやすい傾向にあります。 申告のプロ、税理士にお任せ! あなたの頭の中が疑問で満たされたことはありませんか?「もし税務署が申告漏れを指摘したら?」、「もし修正申告で赤字が黒字に転じたら?」、「もし追徴課税がプラスされたら?」。これらの恐怖から解放される道は、一つしかありません。それは、申告を正確に行うこと。このステップは後悔の道から遠ざかるための鍵となります。 だけど、待ってください。正確さというのは、案外、滑りやすい。計算ミス、うっかり忘れ、これらはどのような職業にもつきまとうリスク。自信があっても、過去の申告内容に一抹の不安を感じることもあるはず。そんな時こそ、申告のプロ、税理士の力を借りてみてはいかがでしょうか?赤字決算や中小規模の法人税申告、税務調査対応に精通した税理士は、あなたの悩みに対する最高のパートナー。1人で悩むよりも、信頼できるサポートがそばにあると心強いですよね。 まとめ 赤字企業だからと言って、税務調査が遠のくと思っていませんか?その思考は、一部の事例においては、逆効果かもしれません。なぜなら、消費税の還付や欠損繰戻しによる還付を申請することで、皮肉なことに周辺調査の対象になりやすくなることがあるからです。…
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2023.10.23
税務調査における海外取引と海外資産、適切な対応策とは?
海外資産を持つこと、多様な海外取引を行うことは、企業経営の一環であるが、それらは真っ先に税務調査の眼鏡を呼び寄せると考えている方、いませんか? 税務調査がどの部分を注視し、どのようなポイントを確認するのか、あるいは何を注意すべきなのか。これらの疑問を抱いているあなたに、この記事が語りかけます。 この記事では、なぜ海外取引や海外資産が税務調査の照準に上がるのか、また税務調査が訪れた際の対応策や注意点について、分かりやすく説明します。 「税務調査で何が問題視されるのか」「国外財産調書の扱い」「必要な資料は何か」―これらの深層へと一緒に旅をしましょう。あなたの知識の武器として、このガイドが役立つこと間違いなし! [uemura_kanshu] 新型コロナと税務調査:現況を解説! 新型コロナが世界を揺さぶり続けるなか、税務調査の現況はどのように変動しているのでしょうか?ここで紐解きます。 1.1 減少する調査、増える申告漏れと追徴税額 税務署の人員は限定されており、一年間で行える税務調査の件数も当然、有限です。 コロナ禍により実地調査件数は減少傾向にありますが、それでも令和2事務年度には約25,000件の法人税や消費税に関する調査が行われました。結果として、申告漏れ所得はなんと5,300億円近くにものぼり、1,900億円以上の追徴課税が発生しています。 前年度と比較して、調査件数は3~4割減少した一方で、申告漏れや追徴課税額は約2倍まで増加しました。 [icon name="link" prefix="fas"]参照元 国税庁「令和2事務年度法人税等の調査事績の概要」 1.2 税還付申請企業への調査強化 源泉所得税や消費税の還付申請を行った企業に対する税務調査も増えています。令和2事務年度の統計によると、源泉所得税に関する調査は29,000件が行われました。 法人税、消費税と同様に調査件数は前年度の32%程度まで減少しましたが、全体の追徴税額は145億円で、1件あたりの追徴税額は約507,000円となり、前年度より1.5倍に上昇しています。 源泉所得税に関する調査が積極的に行われており、情報収集により追徴課税が発生しやすい企業を調査対象にしています。 海外取引を行う企業への調査は強化されているか? 以下の理由から、海外取引を行う企業に対する調査は強化されていると言えます。 2.1 国税庁や税務署は海外取引による申告漏れを把握 「令和2事務年度法人税等の調査事績の概要」によれば、国税庁は海外取引を行う企業の法人税と源泉所得税の申告漏れ額を把握しています。 申告漏れが疑われる額は、法人税で1,530億円、源泉所得税に関しては、令和2年の実績で14億円の追徴課税が発生しています。 国税庁が「海外取引を行う企業への対応」として特別に発表していることから、海外取引に注目が集まっていることが伺えます。 2.2 海外取引と調査対象となる繋がり 海外取引を行う企業が調査対象になりやすいポイントとして、次のような例が考えられます。 [icon name="check" prefix="fas"] 外国子会社への合算税制の適用エラー [icon name="check" prefix="fas"] 投資資金に関する海外送金依頼の水増し [icon…
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2023.10.23
税務署から調査訪問の連絡が入った!税務調査の対応方法を解説!
自宅やオフィスに響く税務調査の電話連絡。その瞬間、適切な対応をすべく思考を巡らせることでしょう。どんな事項を確認するべきなのか、何を記録に残しておくべきなのか、心に留めておくべきポイントがあります。 この記事では、税務調査の電話がかかってきた時のベストな対応法について具体的に掘り下げています。どんな情報が交わされるのか、あなたがどのように応じるべきなのか、初めての経験でも安心して対応できるような基本知識を提供します。参考にして、いざというときの準備を整えましょう。 [uemura_kanshu] 税務調査の連絡が来た時の心構え 税務署からの突然の電話、その内容が税務調査の宣告だったら?実は、これは「任意調査」というプロセスの一部、事前通知というステップなのです。 1.1 任意調査とはなに? あなたの管轄となる税務署が行う税務調査は、納税者の合意の上で実施される「任意調査」というものが一般的です。 「任意」とは言っても、実は納税者には調査に対する協力義務が存在します。 しかし、この任意調査は税務署からの断りなく突然調査員が訪問してくるという、いわゆるマルサの強制捜査とは異なります。まずは、事前通知という形で調査の予告が来るのです。 1.2 突然の電話でも、落ち着いて話を聞くことが大切 税務署から税務調査に関する電話がかかってきた場合、すでに税務調査の実施が決定しています。 日程や時間といった詳細も既に決定されていることが多く、基本的には、税務署から伝えられる内容を静かに聞き、理解すれば良いのです。 1.3 税務調査の日程については、事前に確認し、調整も可能 税務調査の日程は事前通知の段階で決まっています。その日程や訪問先についての説明を電話で受けることとなります。 ただし、もし調査の予定日が既定の出張や入院日など、避けられない事情と被る場合は、日程調整を申し出ることができます。 話を聞きながらメモをとる、税務調査の事前通知で重要な内容は? 訪問場所や調査内容といった、税務署からの事前通知は大量の情報を含んでいます。そのため、電話を受けつつ、重要事項はメモに取っておくことを強く推奨します。 以下に、事前通知で伝えられる主な内容を列挙します。 [icon name="check" prefix="fas"] 訪問する日時 [icon name="check" prefix="fas"] 訪問する場所 [icon name="check" prefix="fas"] 調査対象となる期間 [icon name="check" prefix="fas"] 調査の目的となる税目(所得税、消費税、相続税など) [icon name="check" prefix="fas"]…
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2023.10.23
税務調査のスケジュールと突然の税務署訪問への準備を徹底解説!
「税務調査が始まるのは何月なのだろう?」そんな疑問を持つあなたに向けて、税務調査が一般的に始まる時期や、何故その時期に増えるのかを詳しく解説します。 この記事では、税務調査が頻繁に入る月やその背後にある理由を分かりやすく説明します。また、もし税務調査が入ったときの対策についてもお伝えします。知識は力ですから、税務調査について知識を深めるためのガイドとして活用してみてください。 [uemura_kanshu] 税務調査、そのタイミングはいつ? あなたがそう問うなら、一般的に言われる回答は「時期に関係なくやってくる」でしょう。しかしながら、実際には、税務調査が増加する特定の期間や、調査が行われやすいシーズンが存在します。 1.1 年の後半、税務調査が増える!その理由とは? 毎年、7月から12月にかけて税務調査が増加すると一般的に言われています。そこには一年の前半、つまり1月から6月が所得税や法人税等の申告や決算処理のピーク期であるためという理由があります。 通常、確定申告の申告期間は2月から3月にかけて設定され、また多くの企業は3月決算を採用しています。この時期、税務署の職員や税理士、企業の担当者は皆、業務が急増し、結果的に税務調査に取り組む時間が取りづらくなるのです。 1.2 年の後半、税務調査はどう進行する? さて、年の後半に行われる税務調査の流れを、月別に見てみましょう。 [icon name="calendar-days" prefix="fas"] 7~8月 申告業務が一段落つく7月頃から、税務署では人事異動やチーム再編などの動きが見られ、税務調査への準備が徐々に進行します。そのため、7月から8月にかけては調査対象の選定や実地調査の前準備が主な業務となり、実地調査は比較的小規模な企業や個人事業主を中心に進められることが多いのです。 [icon name="calendar-days" prefix="fas"] 9~10月 チーム編成や事前調査、調査対象の選定が更に進む時期で、これが税務調査が入るピーク期となります。 [icon name="calendar-days" prefix="fas"] 11~12月 11月は、9月から続く調査のピーク期で、積極的に税務調査が行われやすい時期となります。しかし、12月に入ると全国的に年末の繁忙期へ突入するため、税務調査の件数は少しずつ減少していきます。 年が明けて新年が始まると、年末調整などの手続きに取り組む必要が出てきます。そして、その流れから確定申告の準備期間に突入するため、年の前半に税務調査が行われる可能性は低下します。 1.3 油断に注意!年の前半でも税務調査が来る可能性はある! 年の前半に税務調査が行われる件数が減少するとはいえ、ゼロになるわけではないのです。件数が少ないだけで、いつ調査が入っても良いように常に準備を怠らないことが大切です。 調査のピークを避ける術、それはあるの? 税務調査が完全にゼロになることはありませんが、調査のピークを避け、調査対象となりづらくする方法は存在します。 2.1 決算月を見直す 先ほど述べたように、多くの企業が3月決算を選択しています。しかしこの決算月を3月から他の月に変更することで、税務調査が行われるピーク期をずらすことが可能になるのです。 例えば、決算月を3月から2ヶ月早めると、調査の時期も同様に2ヶ月早まる可能性があります。逆に、後ろにずらすと調査の時期も後ろへずれる可能性が高まるでしょう。税務調査は決算に合わせてスケジュールされるため、調査が増える時期を避けたいなら、決算月の見直しもひとつの策となるでしょう。 ちなみに、決算月による税務調査が来やすい時期の目安は以下の通りです。 決算月が2月から5月:税務調査が来やすい時期は7月から12月 決算月が6月から1月:税務調査が来やすい時期は1月から6月…
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2023.10.23
マルサと国税局査察部の税務調査って一体何?
「マルサが我が家に税務調査しにやってきた」「国税局の査察部が我がビジネスを調査しに来た」このような事態が発生するのは一体どういった状況なのでしょうか? 本記事では、マルサの基本情報とマルサによる税務調査の特性、それに普通の税務署による税務調査との相違点を紐解きます。さらに、マルサの調査目的や実際の調査過程についても詳しく見ていきます。 [uemura_kanshu] マルサとは何者?語源から役割まで一挙解説 「マルサ」この単語、一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。テレビや映画で触れられることが多いこの言葉、具体的に何を指しているのでしょうか? 1.1 国税局査察部の通称として知られるマルサ 「マルサ」は実は、国税局の査察部や、その部署が扱う事案を指す俗語です。"査察"の「査」を丸で囲むと「マルサ」になることからこの名がつきました。1980年代のヒット映画「マルサの女」から広く知られるようになったのです。 マルサの女以外にも、会社が突然国税局の査察官に訪れられ、資料やパソコンなどが押収される様子を、テレビドラマやニュースなどで見たことがある人もいるでしょう。 1.2 悪質な脱税行為に対する犯罪捜査の担当部署 マルサの役割とは、大規模で悪質な脱税や犯罪行為が疑われる事業者を対象に調査を行うことです。その調査は、「強制捜査」と呼ばれる犯罪捜査であり、通常の税務調査(納税の指導が目的)とは異なるものとなります。 1.3 マルサの特徴「強制調査」 国税局査察部の実施する税務調査は、事前に一切連絡なく突然行われる「強制調査」です。数100人を超える査察官が一斉にオフィスや自宅に突入することも珍しくありません。 マルサの捜査と通常の税務調査は何が違う? マルサによる犯罪捜査と通常の税務調査の間には、以下のような違いが存在します。 2.1 任意調査か、強制調査か 税務署が日常的に実施する税務調査は事前に連絡し、納税者の協力や同意を得て進められる任意調査です。一方、マルサの調査は一切の事前連絡や同意を必要とせず、強制的に行われます。 通常の税務調査は納税者の正しい申告の指導や間違いの是正が目的です。それに対し、強制捜査は脱税や犯罪行為に対する十分な証拠が確保された「裏付け済み」の状況で実施されます。 国税犯則取締法に基づく犯罪捜査であるため、証拠の隠滅や逃亡を防ぐ目的で事前の通知や同意を得ずに行われます。 2.2 税務署か、国税局査察部か 通常の税務調査(任意調査)は管轄の税務署が行い、強制捜査は国税局査察部が担当します。任意調査の調査官は1~数名ですが、強制捜査では100~200人の調査官が動員されるため規模が大きいです。 国税局も任意調査を行いますが、その詳細は次章で説明します。 マルサに迫る!調査の全貌を解説 税務調査の世界に潜む"マルサ"という特別な存在。一体何者なのか、それが実施する強制捜査の本質に迫りましょう。さらに、マルサの狙いやその他の調査についても明らかにしていきます。 3.1 マルサ捜査の真の目的とは? マルサの目指すところは何なのでしょう?その強制捜査の真の目的は、実は検察への告発です。だからこそ、彼らは裁判所の許可を得て、差し押さえや強制的な立ち会い捜査(臨検)といった手段を用います。 一度マルサが捜査の手を付けた場合、7割程度の確率で告発がなされ、多くのケースで有罪判決が下されます。これがマルサの驚異的な影響力なのです。 3.2 マルサだけじゃない!国税局の調査とその実態 国税局の捜査といえば、もちろんマルサの強制捜査が有名です。しかし、彼らだけが全てではありません。国税局には、資料を基にした調査や任意調査を担当する部署も存在します。 その一つが"リョウチョウ"と呼ばれる資料調査課です。彼らの仕事は、マルサの捜査対象を選定したり、犯罪の悪質性を調査したりすることです。 リョウチョウの調査は任意調査であり、マルサのような強制力はありません。しかし、事前連絡なく訪問する無予告調査の実施は、マルサと同じで、調査官は数十人規模になることが多いのです。 マルサ捜査の手が及ぶのはいつ?調査の対象となる条件とは? 誰しもがマルサの捜査対象になるわけではありません。しかし、一定の条件に該当すると、事前調査段階でピックアップされる可能性が高まります。どのような状況で、マルサの目星が付けられやすいのでしょうか。 4.1…
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2023.10.23
税務調査終了後、再度調査が始まる理由とは?
あなたは「税務調査がようやく終わったと思ったら、再度開始されることになった」「再び税務調査を進行する旨の連絡が来た」という状況に出くわすことがありますか? これらの経験は私たちが時々耳にする話です。 これらの二度目の税務調査、一体どのような存在なのでしょうか? 何が引き金となり、どのような情報から再調査が生じやすいのか、気になりませんか? ここでは、税務調査の「再調査」の本質や、それがなぜ発生するのか、また、どれほどの頻度で起こるのかについて詳しく解説していきます。 さらに、再調査のトリガーとなり得る情報源についてもご紹介します。これらの知識は、再調査がなぜ起きるのかを理解する上での重要な手がかりとなるでしょう。 [uemura_kanshu] 再調査の謎を徹底解説 再調査とは、すでに終了したはずの税務調査が、文字通りに再び舞台に立つことです。 「また税務調査になった」「2回目の税務調査が来た」とよく耳にしますが、大概の場合、これは新たな年度の税務調査が始まったことを指すでしょう。つまり、これはあくまで会社や個人事業主としての「2回目」であり、調査の年度単位では「1回目」と見なされます。 この場で解明していく再調査とは、すでに調査を終えた年度に対し、再度実施される税務調査のことを指します。 1.1 再調査の対象は実地調査に特化する 平成27年以降、再調査の範囲は絞り込まれ、実際に訪問を行う実地調査が主な対象となっています。 通常、1回の実地調査を経て、是認通知書(申告内容が正しいと認定された通知書)を受け取った場合、その年度について再度調査が行われることはまずありません。 しかし、特定の理由から再調査が必要と決まった場合、その年度について再度調査が行われる可能性があります。 再調査が必要と判断される理由とは? 再調査は、以下のような特定の条件が揃ったときに主に実施されます。 2.1 国税通則法の基準による判断 再調査の理由としては、国税通則法が以下のように指定しています。 "新たに得た情報に基づき、違法行為があると判断された場合、(中略)規定に基づき、通知を受けた者、修正申告書や期限後申告書を提出した者、または更正決定等を受けた納税者に対して、質問や検査を行うことができる。" (国税通則法第74条11) これは、1度の税務調査で不正行為が認められなかったとしても、後から新しい情報が得られ、それにより不正行為の可能性があると判断された場合、再調査の対象となる可能性があるということです。 2.2 再調査を引き起こす新情報とは? 再調査の対象となりやすい「新たな情報」の例としては、以下のようなケースが挙げられます。 [icon name="check" prefix="fas"] 調査対象年度以外の申告内容や取引が、調査年度の申告内容と矛盾していて、その相違が明らかな場合 [icon name="check" prefix="fas"] 取引先が税務調査を受け、その結果、書類や入出金記録から疑わしい情報が見つかった場合 [icon name="check" prefix="fas"] 上記以外の理由で、不正行為や脱税の疑いを持つ新情報が得られた場合 [icon…
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2023.10.23
税務調査における指摘されやすいポイントと対処法とは?
税務調査が突然始まったとき、調査官は何を見ているのでしょうか。帳簿だけが目標なのか、それとも他にも見ている点はあるのでしょうか。特に調査官にピックアップされやすい事項や、頻繁に指摘される問題点などを知ることは非常に重要です。 この記事では、税務調査の裏側を解き明かし、調査官が特に注意を払うポイントや考慮事項、そして指摘されやすい取引や帳簿の内容について詳しく説明します。税務調査を初めて経験する際の役立つ知識として、ぜひ参考にしてください。 [uemura_kanshu] 税務調査官の意外な注目ポイントを解説します! 税務調査を受ける際、大半の人は帳簿や申告書類、領収証などのドキュメントに焦点を当てがちです。しかし、それだけでは十分ではありません。実は、税務調査官が注目しているポイントはもっと多岐にわたっています。 1.1 経営者の性格と人柄 信じられないかもしれませんが、税務調査官は経営者の性格や人柄についても熟考します。あなたがどれほど思い込みの強い人間であるか、または大ざっぱな性格であるかなど、それを会話や行動から評価するのです。 あなたが「極度に慎重な秘密主義者」であるか、「攻撃的で怒りっぽい」人物であるか、そういったことを伺いつつ、ある程度の誠実さや丁寧さ、そして犯罪的傾向を評価します。あまりにも卑屈になることも、過剰なおもてなしも必要ありません。社会人としての常識に基づいた行動を心掛けるだけで、それ以上の問題は生じません。 1.2 従業員の態度 調査官は経営者の性格だけでなく、従業員の態度にも注意を払います。彼らが何かに怯えているように見えたり、行動が不自然だったりした場合、これらの点が帳簿のチェックと並行して確認されることもあります。 1.3 オフィスの内装、設備、ノベルティアイテム オフィスの内装や書類の保管状態も見逃せません。事務所が散らかっているか、逆に普段誰も働いていないかのように見えるか、書類が乱れていたり順序が混乱していたりするかなど、全てが注視されます。 また、取引先や銀行などから提供されたカレンダーやタオルなどのノベルティアイテムも対象となります。帳簿や契約書に記載のない業者や銀行から提供されたと思われるアイテムがある場合、それが隠れた取引や隠し口座の証拠とされる可能性もあります。 税務調査で注意が必要なポイント 次に、帳簿や書類で特に指摘を受けやすいポイントについてお話しします。以下に挙げる項目は、税務調査で特に注目されるポイントとなります。 2.1 売上の計上漏れには細心の注意を 売上の計上漏れは「売上を水増ししている」と見なされる可能性があります。飲食店の場合、レシートに記載された売上が帳簿で確認できるかどうか、これが一つのチェックポイントとなります。 2.2 要求された書類がすぐに提出できるか 税務調査の際には、領収書や請求書などの提示が求められることがあります。要求された文書がすぐに提出できるかどうかも、重要なチェックポイントです。 文書を探すのに時間がかかる、または一部しか提示できないという事態を避けるために、少なくとも過去3年分の帳簿や書類は整理しておくことが重要です。 2.3 経理業務プロセスの確認 文書や書類だけでなく、会計処理の流れも問題とされやすいでしょう。「書類が来る前に記帳している」「納品書がなく、後日送られてくる請求書の到着を待って処理している」など、具体的な事例もきちんと説明できるようにしておく必要があります。 2.4 通常の業務フロー確認 一人が他の人々のタイムカードを一括して押していたり、休憩時間に休憩を取らなかったりなど、細かな勤務態度もしっかりとチェックされます。「人件費を水増ししているのではないか」と疑われないためにも、日々の勤務時間や出退勤の流れを正しく管理することが重要です。 2.5 関連会社との取引についての説明 関連会社やグループ会社との取引がある場合、間の利益移転や架空の外注費の計上がないかどうか、高確率でチェックされます。 関連会社や倉庫への実地調査も行われる場合があります。不規則な取引がある場合は、それを正当に説明できる証明資料を適切に準備しておくことが重要です。 他にも、売上と仕入れの期間ズレが生じていないか、海外取引で国内利益が不当に移転されていないかなど、チェックポイントは多々あります。 2.6 予想外の質問も調査の一環 直接的な申告や帳簿とは関係ない雑談のような質問も、実は経営状態や経費、出張費などを探るためのものかもしれません。また、税法の理解度を試すために、故意に専門用語を使った質問をされることもあります。 質問の意図が何であれ、専門的な知識がなければ反論が難しい場合もあります。そのため、不安な場合は、税務調査に詳しい税理士に依頼することをおすすめします。…
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2023.10.23
税務調査は事前通知からスタート、対応法とプロセスとは?
ある日、予期せぬ税務署からの連絡。これは、何とも不安を煽る税務調査の前兆かもしれません。 そんな予告状のような通知を受けたとき、一体どう対応すべきなのでしょうか? そして、その通知から真に迫る税務調査のプロセスについても理解したいものです。 今回は、税務調査の事前通知を受け取った場合の対応法や、税務調査の流れについて、難解さを取り払い分かりやすく解説していきます。 既に税務調査の開始が決まった後でも、新たに税理士を探すことは可能なのか、また、自分の顧問税理士以外の税理士に相談することは許されるのか、といった疑問にも応えていきます。税務調査のプロセスや対応法を学びたいときの参考資料としてお役立てください。 [uemura_kanshu] 税務調査の事前通知について徹底解説! 税務調査の事前通知について、まずはその実体を明らかにしていきましょう。 1.1 税務調査、その対象となる事業者は事前に通知を受ける 税務調査には、「任意調査」と「強制調査」という二つの顔があります。 強制調査は、夜逃げや証拠隠滅が懸念される悪質な場合で、こちらについては事前通知なしに調査が行われます。一方、任意調査では、事前通知が先行し、その後で実地調査が始まります。 ただし、現金取引がメインの飲食店などでは、事前通知なしに突然の調査が訪れることもあります。 1.2 任意調査は、誰にでもやって来る可能性がある 任意調査は、企業や個人事業主に対して行われるもので、悪質性が低いと判断されたとしても調査対象となります。 開業や起業から3年以上が経過した場合や、売上が急増した場合などには、調査の可能性が高くなります。ただし、10年以上税務調査が来ない事例も存在します。 1.3 事前通知と調査通知、その違いとは 税務調査の「事前通知」は、「調査通知」と「事前通知」の二つに分けられ、調査通知の後に事前通知が行われ、その後で実地調査という流れがあります。 調査通知では、「実地調査が行われること」、「調査対象となる税目(消費税、法人税など)」、「調査期間」の3つが通知されます。 事前通知は、調査通知を受けた後に行われ、以下の内容について知らされます。 [icon name="check" prefix="fas"] 調査の開始日時と場所 [icon name="check" prefix="fas"] 調査対象となる税目とその目的 [icon name="check" prefix="fas"] 調査期間(3期分、5期分など) [icon name="check" prefix="fas"] 調査対象となる帳簿書類 [icon name="check"…
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2023.10.23
税金をごまかす一人親方、税務調査からは逃げられない?
あなたが収入をごまかし、本来より低い収入で確定申告すれば、支払うべき税金の額は当然減ります。これに誘われて一人親方の中には、収入を正直に申告していない人がいるのも事実です。 税務署は納税者が公平に税金を納めているかどうかを見極めるため、常に税務調査を進行しています。もし収入をごまかしていれば、それは税務署からの警告の矛先を向ける旗印になります。それがあなた、一人親方であろうとも、あなたは税務調査の対象になる可能性があるのです。もし収入をごまかすことが税務調査で明らかになったなら、どのような結果を招くのでしょう? 今回は、収入をごまかしている一人親方がなぜ税務調査に捕まるのか、そして不正が暴かれたときに何が待ち受けているのかについて詳しく解説します。 [uemura_kanshu] 収入をこっそりとごまかす一人親方は税務調査の標的に 一人親方というのは、実は個人事業主の中でも特に厳しい視線を受ける存在です。その理由は簡単、収入と経費の計算、そして確定申告全てが自分の手に委ねられているからです。これが、手元を見れば手軽に収入を控えめに申告したり、経費を増やしたりして所得額を低く装うことが可能になってしまいます。 しかしながら、税務署は常にさまざまな角度から情報を収集し、続けて不正を行うことは決して可能ではありません。一人親方の不正が明らかになる経緯は、以下のように多岐にわたっています。 1.1 一人親方は税務調査の標的となることが多い 国税庁が公表する「申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」には、一人親方と密接に関連する業種、たとえば土木工事やタイル工事、冷暖房設備工事などが含まれています。その結果、一人親方に関連する業種は、不正行為が行われやすい業種として税務署にマークされているのです。 1.2 仕事の依頼主からの調査で露見することも 一人親方が仕事をするとき、必然的に依頼主がいます。依頼主が支払った費用について申告していれば、一人親方への報酬が明らかになるわけです。もし依頼主が支払ったと申告しているのに、一人親方からの申告が無いとなれば、それは申告漏れがあると疑われるでしょう。 1.3 第三者からの情報提供によるリーク 一人親方が収入をごまかしているという情報を把握している第三者から、その情報が税務署にリークされることもあります。収入を正直に申告し、適正に納税している人から見れば、収入をごまかし納税逃れをする人への印象は悪いものとなるでしょう。第三者から税務署への情報提供は、想像以上に頻繁に行われているのです。 1.4 資産状況からも露呈する 税務署は、調査対象者の資産状況を詳細に調査することができます。所得申告が少ないにもかかわらず、銀行口座に大金が入金されたり、高額な不動産を購入したりしていた場合、税務調査の対象となる可能性が高まります。 一人親方が税務調査において指摘される項目を解説! 一人親方が税務調査の対象となった場合、以下のポイントがしばしば問題視されます。 2.1 売上を透明に計上しているか 収入をごまかす方法として、売上を正確に計上しないことがあります。売上を低く計上したり、報酬を受け取ったりしているにもかかわらず売上に計上しない、などの行為が、この場合の典型的な不正行為となります。 税務調査では、取引先に発行した請求書や入金の状況などを細かく調査し、売上に不正がないかチェックが行われます。 2.2 消費税の納税逃れを目論む売上の調整は無いか 売上が1,000万円を超えると、一人親方も消費税の課税事業者となります。これを避けるために、売上高を1,000万円以下に調整しようとする人もいます。 そのため、売上が実際に1,000万円を超えていないかどうかを確認するため、取引先に調査に行くなどの裏付け調査が行われます。 2.3 経費の計上は適正か 収入をごまかす手段のひとつとして、経費を水増しにする方法があります。 例えば、個人的に使用した車のガソリン代や、仕事に関連のない会合での飲食代を、経費として計上することは許されません。 税務調査では、経費の適正性についても詳細なチェックが行われます。 一人親方が抱える税務調査で可能性のあるペナルティ 一人親方として、どこかのタイミングで「もしかしたら税務調査に引っかかるかもしれない…」と心配になったことはありませんか?もしもあなたが収入を少なく申告した場合や、無申告だった場合、次のようなペナルティが待っています。 3.1 意識しておきたい「無申告加算税」 無申告加算税という言葉、聞いたことありますか?これは期限内に確定申告をしなかった場合に科せられるペナルティのこと。納付すべき税額が50万円までは15%、それを超える部分については20%の税額が加算されます。でも大丈夫!申告期限を過ぎても、税務調査の前に自発的に申告すれば、この無申告加算税は5%~10%に軽減されますよ。 3.2…
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