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税務調査終了後、再度調査が始まる理由とは?
2023.10.23
あなたは「税務調査がようやく終わったと思ったら、再度開始されることになった」「再び税務調査を進行する旨の連絡が来た」という状況に出くわすことがありますか? これらの経験は私たちが時々耳にする話です。
これらの二度目の税務調査、一体どのような存在なのでしょうか? 何が引き金となり、どのような情報から再調査が生じやすいのか、気になりませんか?
ここでは、税務調査の「再調査」の本質や、それがなぜ発生するのか、また、どれほどの頻度で起こるのかについて詳しく解説していきます。 さらに、再調査のトリガーとなり得る情報源についてもご紹介します。これらの知識は、再調査がなぜ起きるのかを理解する上での重要な手がかりとなるでしょう。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也(うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
目次
再調査の謎を徹底解説
再調査とは、すでに終了したはずの税務調査が、文字通りに再び舞台に立つことです。
「また税務調査になった」「2回目の税務調査が来た」とよく耳にしますが、大概の場合、これは新たな年度の税務調査が始まったことを指すでしょう。つまり、これはあくまで会社や個人事業主としての「2回目」であり、調査の年度単位では「1回目」と見なされます。
この場で解明していく再調査とは、すでに調査を終えた年度に対し、再度実施される税務調査のことを指します。
1.1 再調査の対象は実地調査に特化する
平成27年以降、再調査の範囲は絞り込まれ、実際に訪問を行う実地調査が主な対象となっています。
通常、1回の実地調査を経て、是認通知書(申告内容が正しいと認定された通知書)を受け取った場合、その年度について再度調査が行われることはまずありません。
しかし、特定の理由から再調査が必要と決まった場合、その年度について再度調査が行われる可能性があります。
再調査が必要と判断される理由とは?
再調査は、以下のような特定の条件が揃ったときに主に実施されます。
2.1 国税通則法の基準による判断
再調査の理由としては、国税通則法が以下のように指定しています。
“新たに得た情報に基づき、違法行為があると判断された場合、(中略)規定に基づき、通知を受けた者、修正申告書や期限後申告書を提出した者、または更正決定等を受けた納税者に対して、質問や検査を行うことができる。”
(国税通則法第74条11)
これは、1度の税務調査で不正行為が認められなかったとしても、後から新しい情報が得られ、それにより不正行為の可能性があると判断された場合、再調査の対象となる可能性があるということです。
2.2 再調査を引き起こす新情報とは?
再調査の対象となりやすい「新たな情報」の例としては、以下のようなケースが挙げられます。
調査対象年度以外の申告内容や取引が、調査年度の申告内容と矛盾していて、その相違が明らかな場合
取引先が税務調査を受け、その結果、書類や入出金記録から疑わしい情報が見つかった場合
上記以外の理由で、不正行為や脱税の疑いを持つ新情報が得られた場合
税務調査の結果に納得がいかず、自己申告による再調査を求めた場合
取引先の税務調査や、調査対象年度以外の申告内容から得られた情報だけでなく、第三者からの情報提供などから新情報が得られ、再調査が行われるケースもあります。
なお、再調査は税務署からの指示だけでなく、自主的に再調査を求めることも可能です。税務調査の結果に不服がある場合、調査内容の通知を受けてから3ヶ月以内に再調査を請求することで、再調査を受けることができます。
ただし、請求があったからといって必ずしも再調査になるわけではありません。税務署の審査を経て再調査が実施されるかどうかが決まります。
あなたの会社、再調査リスクはどれくらい?
「再調査」という言葉に耳を傾けたことがあるでしょうか?そんなあなたのビジネスに忍び寄る再調査のリスクを、具体的な数字で解説しましょう。
3.1 税務調査では稀な存在、「再調査」
再調査のリスクは、統計的に見て稀有な存在です。しかし、まるでミステリー小説のように、予測不能な「新しい情報」が税務署に届くと、その静かな波紋が再調査を呼び込むこともあります。また、調査結果に納得がいかないとき、自分から再調査を要求する手もありますが、それが必ずしも認められるわけではないことを心に留めておいてください。
3.2 再調査、その背後に潜むペナルティ
もし、あなたのビジネスが再調査の対象になった場合、その背後には確実に何か大きな「情報」が存在しています。税務署は人手やコストを駆使して再調査を行いますので、再調査の報せが舞い込んだとき、それはペナルティの前触れかもしれません。
3.3「是認通知書」が届く確率もまた珍しい
そして、再調査のレア度に負けず劣らず、税務調査の結果、一切の修正がなかったと認められる「是認通知書」が届く確率もまた、稀有な存在です。税務調査は大掛かりな作業。その結果、「何もなかった」と結論づけるのは、調査を行った税務署側にとっても容易ではないのです。
迷ったら、専門家に相談しませんか?
「再調査のリスクってどれくらい?」「あの時の指摘が心配…」。税務調査や再調査について心配事があるなら、税務対応の実績豊富な税理士に相談してみませんか?彼らのアドバイスは、あなたの不安を和らげるだけでなく、税務のプロフェッショナルに対応するための力強い一歩となるでしょう。
まとめ
再調査は、一見恐ろしげですが、具体的には新たに脱税の疑いが浮上した場合に行われるものです。例えば、取引先の税務調査で不審な領収書が見つかった時などが該当します。
再調査のリスクは非常に低い一方で、是認通知書が発行される可能性もまた低いという現実。税務調査や再調査について不安を感じるなら、ぜひ早めの対策として税理士に相談してみてください。
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