マルサと国税局査察部の税務調査って一体何? | 税務調査レスキュー渋谷/アップビレッジ経営会計事務所

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マルサと国税局査察部の税務調査って一体何?

2023.10.23

「マルサが我が家に税務調査しにやってきた」「国税局の査察部が我がビジネスを調査しに来た」このような事態が発生するのは一体どういった状況なのでしょうか?

本記事では、マルサの基本情報とマルサによる税務調査の特性、それに普通の税務署による税務調査との相違点を紐解きます。さらに、マルサの調査目的や実際の調査過程についても詳しく見ていきます。

この記事の監修

税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士

植村悦也(うえむら えつや)

元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。

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植村悦也

マルサとは何者?語源から役割まで一挙解説

「マルサ」この単語、一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。テレビや映画で触れられることが多いこの言葉、具体的に何を指しているのでしょうか?

1.1 国税局査察部の通称として知られるマルサ

「マルサ」は実は、国税局の査察部や、その部署が扱う事案を指す俗語です。”査察”の「査」を丸で囲むと「マルサ」になることからこの名がつきました。1980年代のヒット映画「マルサの女」から広く知られるようになったのです。

マルサの女以外にも、会社が突然国税局の査察官に訪れられ、資料やパソコンなどが押収される様子を、テレビドラマやニュースなどで見たことがある人もいるでしょう。

1.2 悪質な脱税行為に対する犯罪捜査の担当部署

マルサの役割とは、大規模で悪質な脱税や犯罪行為が疑われる事業者を対象に調査を行うことです。その調査は、「強制捜査」と呼ばれる犯罪捜査であり、通常の税務調査(納税の指導が目的)とは異なるものとなります。

1.3 マルサの特徴「強制調査」

国税局査察部の実施する税務調査は、事前に一切連絡なく突然行われる「強制調査」です。数100人を超える査察官が一斉にオフィスや自宅に突入することも珍しくありません。

マルサの捜査と通常の税務調査は何が違う?

マルサによる犯罪捜査と通常の税務調査の間には、以下のような違いが存在します。

2.1 任意調査か、強制調査か

税務署が日常的に実施する税務調査は事前に連絡し、納税者の協力や同意を得て進められる任意調査です。一方、マルサの調査は一切の事前連絡や同意を必要とせず、強制的に行われます。

通常の税務調査は納税者の正しい申告の指導や間違いの是正が目的です。それに対し、強制捜査は脱税や犯罪行為に対する十分な証拠が確保された「裏付け済み」の状況で実施されます。

国税犯則取締法に基づく犯罪捜査であるため、証拠の隠滅や逃亡を防ぐ目的で事前の通知や同意を得ずに行われます。

2.2 税務署か、国税局査察部か

通常の税務調査(任意調査)は管轄の税務署が行い、強制捜査は国税局査察部が担当します。任意調査の調査官は1~数名ですが、強制捜査では100~200人の調査官が動員されるため規模が大きいです。

国税局も任意調査を行いますが、その詳細は次章で説明します。

マルサに迫る!調査の全貌を解説

税務調査の世界に潜む”マルサ”という特別な存在。一体何者なのか、それが実施する強制捜査の本質に迫りましょう。さらに、マルサの狙いやその他の調査についても明らかにしていきます。

3.1 マルサ捜査の真の目的とは?

マルサの目指すところは何なのでしょう?その強制捜査の真の目的は、実は検察への告発です。だからこそ、彼らは裁判所の許可を得て、差し押さえや強制的な立ち会い捜査(臨検)といった手段を用います。

一度マルサが捜査の手を付けた場合、7割程度の確率で告発がなされ、多くのケースで有罪判決が下されます。これがマルサの驚異的な影響力なのです。

3.2 マルサだけじゃない!国税局の調査とその実態

国税局の捜査といえば、もちろんマルサの強制捜査が有名です。しかし、彼らだけが全てではありません。国税局には、資料を基にした調査や任意調査を担当する部署も存在します。

その一つが”リョウチョウ”と呼ばれる資料調査課です。彼らの仕事は、マルサの捜査対象を選定したり、犯罪の悪質性を調査したりすることです。

リョウチョウの調査は任意調査であり、マルサのような強制力はありません。しかし、事前連絡なく訪問する無予告調査の実施は、マルサと同じで、調査官は数十人規模になることが多いのです。

マルサ捜査の手が及ぶのはいつ?調査の対象となる条件とは?

誰しもがマルサの捜査対象になるわけではありません。しかし、一定の条件に該当すると、事前調査段階でピックアップされる可能性が高まります。どのような状況で、マルサの目星が付けられやすいのでしょうか。

4.1 金額が鍵を握る!「1億円」の壁とは

マルサが狙う対象となりやすい一つの指標は、「1億円」という金額です。マルサの捜査は規模も大きく、人員も多いため、強制捜査により摘発できる不正総額が1億円程度でなければ、費用対効果が出ないとされています。

4.2 2,000万円以上の所得がある場合にも注意!

さらに、もし所得金額が2,000万円相当と認定される事例があれば、税務調査から国税局の捜査対象へと移る可能性があります。国税局が捜査対象にしていなくても、税務調査の内容は国税局まで詳細に報告される可能性があるのです。

4.3 規模の大小関係なし!消費税の脱税には厳しい捜査

「私たちの規模は1億円には届かないから大丈夫」、「所得は2,000万円よりも少ないから安心だ」と思うのは危険です。近年、中小規模の事業者が増えているため、所得や売上が上記の程度になかったとしても、マルサの対象になる可能性は十分にあるのです。

税務署や国税局は、特に消費税の脱税に対しては厳しく監視しています。たとえ小規模の事業者でも、急に貯蓄が増えたり、取引先がマルサの対象になったりした場合、厳しい捜査が及ぶ可能性は決してゼロではないのです。

一度マルサの強制捜査に巻き込まれてしまうと、逃れる手段はほとんどありません。ただし、税務署の税務調査や国税局の資料調査課の調査の場合は、税理士に相談することで何かしらの手が打てるかもしれません。

まとめ

“マルサ”――あなたがその名を聞いたとき、何を思い浮かべますか?それは、国税局の査察部や強制捜査を示す言葉。その仕事は、悪質で大口な脱税や不正行為を見つけ出し、正義の手で取り締まること。それこそが、マルサが存在する意義、そして彼らが取り組むタスクです。

ある一定の条件が揃えば、マルサの目星が付けられます。その一つが、1億円規模の不正。また、税務署の税務調査で2,000万円を超える不正所得が浮かび上がったときも、マルサのスコープに捕らえられます。

しかし、私たちが安全だと考える”小さな規模”の不正でも、マルサの鋭い目は光ります。近年では、規模の大小に関わらず、その正義の探し手が伸びてくる可能性があるのです。

しかし、全てが絶望的な状況というわけではありません。税務調査や国税局のリョウチョウからの調査段階なら、税理士に相談することができます。マルサと闘うための知識と戦略、それを身につけることで、あなたは不安から安心へと道を開くことができるでしょう。

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