資料はどこまで見せる?税務調査での書類等の提出について解説!
2023.10.18
税務調査の際、あなたはデータや書類を提出する要求を受けるかもしれません。更に、それらを税務署へ持ち帰ると言われることもあるでしょう。そんな時、果たしてどこまで書類やデータを提出すべきなのか、疑問に思うことは多いはずです。
この記事では、そんなあなたのために、税務署からの書類やデータの持ち帰りや提出の要求にどう対応するべきか、そして法律的な観点から見た義務について、理解しやすい解説を行います。また、どこまでの資料を見せるべきなのかという疑問についても、具体的なガイドラインを提供します。これが税務調査の知識を深め、あなたの疑問解決の一助となることでしょう。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也 (うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
税務調査における資料やデータの提出は義務か
語るまでもなく、税務調査に際して調査官から書類やデータの提出を求められると、あなたはその要求に応じることが基本となります。
1.1 税務調査官には「質問検査権」がある
ご存知でしたか?税務調査官は「質問検査権」という特殊な権限を持っています。これにより、正当な理由なく調査を拒否すれば、最悪の場合1年以下の懲役や50万円以下の罰金刑が課されることもあります。
このため、「取引に関する帳簿を見せてほしい」との要求には、基本的には協力することが求められます。
コロナ禍により、少ない時間での調査を望む調査官から、書類を税務署へ持ち帰りたいと言われるケースもあります。こうした要求にも応えることが重要であり、理由なく拒否することは適していません。
1.2 書類やデータの提出拒否は不利となる場合も
書類やデータの提示を拒否すると、調査官から「何か隠しているのでは?」と疑念を抱かれ、調査の手が一層厳しくなる可能性も考えられます。「反面調査」が実施され、取引先や他の企業へ調査が及ぶこともあります。
税務調査での資料提出の範囲
そうした背景を踏まえ、税務調査で書類やデータの提示を求められたら、基本的には協力することが望ましいと言えます。
しかし、すべての要求に対して応えるべきというわけではありません。税務調査でどの範囲の資料を見せるべきか、次の項目を参考にしてみてください。
2.1 税務調査とは関連性の低い資料提示を要求された場合
例えば、個人的なインターネットの利用明細や家族の通帳など、税務調査と関連性の低い個人情報を含む資料については、「会社の経営活動と一切関係のないプライベートな情報であるため、提示できません」と反論することが可能です。
この際、調査官は資料の提示がなぜ必要かという理由を説明する義務を負っています。もし調査官が開示の趣旨を説明した上で、その理由が納得できるものであれば、提示に協力することがスムーズな税務調査の終結につながるでしょう。
2.2 パソコン内データの提示を要求された場合
現代では、帳簿や決算書類はしばしばパソコンの会計ソフトやクラウド上に保存されています。そうしたデータについて税務調査で提示を求められた場合、パソコンの画面上で確認できる形に整え、その画面を提示することが要求されます。
2.3 資料の持ち帰りを要求された場合
税務調査の際、請求書や帳簿といった紙ベースの資料を税務署に持ち帰るよう要求されることもあります。これには原則として応じるべきですが、PC内に保存されているデータについては、印刷して渡すケースもあります。
費用を掛けてコピーしたくないときは、調査官にその旨を伝えても問題ありません。このとき、調査官がUSBメモリに保存したり、スマートフォンで撮影したりすることも考えられます。
デジタルデータや書類のコピーを持ち帰らせる際には、調査終了後、税務署が守秘義務を遵守し、速やかにデータを破棄するよう伝えておきましょう。
紙に印刷されたものは提示要求に応じるべきですが、デジタルデータのプリントは一度確認してからということもあります。既にプリントされているデータと同じものについては、基本的にはそのままの形で提示する必要はありません。
書類やデータの提出を要求された際にはどう対応すべきか?
税務調査で書類やデータの提出を求められたとき、どう対処すればよいか考えてみましょう。
3.1 必ずしも全てに応じる必要はない
税務調査では調査官の要求に対応することが必要ですが、合理的な理由があれば拒否することも可能です。ただ、専門的な知識がなければ、その判断が難しいこともあるでしょう。
調査が速く終わるために調査官の要求を受け入れることもありますが、全ての要求に応じる必要はありません。その交渉には、一定の専門的な知識が必要です。
3.2 税理士に同席を依頼する
「税務調査で無駄な書類を見せたくない」「1人で対応するのは不安」と感じる場合、税務調査に詳しい税理士に同席を依頼しましょう。
税務調査の専門家なら、どの資料を提出すべきか、どこまで協力すべきか、交渉のノウハウを理解しています。調査当日までに、アドバイスを受けることも可能です。何を準備すべきかについても、専門家のアドバイスを得ると良いでしょう。
まとめ
税務調査では、取引の詳細を示す書類やデータを提出するよう求められます。調査官には要求する権利があり、それに応じる必要があります。しかし、要求の趣旨について説明を求め、合理的な理由があれば拒否することも可能です。
税務調査の対応は、法的知識と豊富な経験が必要な難題です。不安な場合は、専門家に相談し、調査に備えましょう。
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