税理調査で指摘を受けた架空外注費!経費水増しが露見した場合
2023.10.14
近年、税務調査によって架空の外注費を計上し、適正な納税額を抑えていたとして、脱税疑惑で追及されるケースが増加しているのをご存知でしょうか。もしあなたが、このような事態に陥ったら、どのような結末が待ち受けているのでしょうか。
この記事では、現在増加している脱税疑惑の具体的な事件を引き合いに出しつつ、もしも経費の膨張が明るみに出た場合にどのようなリスクが生じるのか、詳細にわたってご解説いたします。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也 (うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
税務調査で注目される「外注費」の本質とは?
税務調査での注目ポイントとして、「外注費」の指摘が増えていることはご存知でしょうか。これには、外注費が不正行為の実行に頻繁に使用される勘定科目であるという背景が影響しています。
外注費とは、他の企業や個人に特定の業務を依頼し、その対価として支払う費用のことです。外注費として計上できる費用の種類は多岐にわたるため、さまざまな業務や支払先に対する費用が外注費として記録されることがあります。
税務調査でよく見られる指摘の一つは、外注費を不正に膨らませ、経費を多く見せ、課税所得を低く偽装する行為です。具体的には、実際の取引先から受けた請求より多くを外注費として計上するか、存在しない取引先に対して支払ったと装う手口が多く見受けられます。
さらに、実際は人件費として計上すべき費用を外注費として計上するケースも見受けられます。人件費を外注費と偽装することで消費税の仕入れ税額控除の対象とし、企業が納めるべき消費税の額を減らすことができるのです。
外注費の水増しが引き金となった脱税疑惑事例
近年、税務調査により外注費の水増しを発端とする脱税疑惑の事例がいくつか明らかになっています。その中から、具体的な2つの事例を紹介します。
2.1 外注費の水増しで露見した約2億4100万円の所得隠し
2022年10月に、東京国税査察部は、埼玉県の広告会社とその代表者を、法人税法違反などの疑いで告発しました。
この会社の代表者は、5つの外注業者に対して架空の請求書や水増しした請求書を作成させ、自社の経費を不適切に高く表示していました。これにより、2019年8月までの3年間で約2億4100万円の所得を隠蔽し、法人税など約7600万円を脱税したと疑われています。
2.2 架空のコンサルタント料の計上で約1億8000万円の所得隠し
同じく2022年10月、大阪では不動産会社の社長が架空の経費を計上し、法人税など約4700万円を脱税した疑いで大阪国税局から告発されました。
この事例では、土地や建物の購入時にコンサルタント料として存在しない経費を計上し、利益を低く見せていたとされています。2021年3月末までの2年間で約1億8000万円の所得を隠蔽し、法人税など約4700万円を脱税したとの疑いが持たれています。
コンサルタント料もしばしば架空の外注費として計上されるため、税務調査ではコンサルタント料についても詳細な調査が行われることが多くなっています。
外注費等の不正な増額が露見した際、直面する可能性がある状況は?
脱税という犯罪行為に対し、法は厳しい制裁を予定しています。しかし、実際にはどのようなペナルティが待ち受けているのでしょうか?以下で具体的なケースについて詳しく説明しましょう。
3.1 脱税疑惑が浮上した場合の刑事制裁
脱税の疑惑が浮上し、告発されたとき、その次に起こることは警察の介入です。何故なら、脱税疑惑があると、関与者が事実を隠蔽する等、証拠を改ざん・隠滅する可能性があるからです。
そして、告発がなされ、検察が起訴するまでの間、関与者の身柄は拘束されることが一般的です。
そして有罪の判決が下されれば、それは刑事罰を受けるという結果につながります。つまり、これは脱税という犯罪行為が前科として記録されることを意味します。
外注費や経費の不正な増額があった場合、それは脱税行為と判断され、罰せられることになります。具体的には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、あるいはその両方が課せられます。
3.2 脱税疑惑が確定した際の行政制裁
一方、脱税が確定すれば、刑事罰に加えて行政制裁も受けます。具体的には、追徴課税が課せられます。
過少申告加算税
あなたが本来納付すべき税額よりも少ない額を申告した場合、過少申告加算税が課されます。この税は、追加で納付する税額の10%に相当する額を支払うことが必要です。
重加算税
一方、不正が著しく、悪質な脱税が認められた場合は、さらに重い税金、つまり重加算税が課せられます。具体的には、無申告加算税に代えて40%、過少申告加算税に代えて35%の税率が適用されます。
延滞税
納付期限までに正しい金額を納付しない場合、ペナルティとして延滞税が課せられます。この延滞税は、納付期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する額が課せられます。
脱税が確定した場合、上述した刑事罰に加えて行政処分も受けます。特に重加算税は厳しいペナルティで、経費の水増しの場合、本来の税額に比べて35%も多い額を納めることになります。
まとめ
最近では、架空の外注費の計上や不正な増額による脱税が増えており、その結果として逮捕や刑事罰、さらには重加算税や延滞税の支払い義務が発生しています。
もし、税務調査の連絡を受け、不正な経費計上があることに気付いたら、すぐに税理士に相談しましょう。
税務調査レスキュー110番は、税務調査に強い専門家集団です。外注費の計上についての不安があれば、遠慮せずにご相談ください。
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