役員報酬の相場とは?税務調査の注目箇所と警戒箇所を徹底解説!
2023.10.15
税務調査は、役員報酬が従業員の給与や同業他社の役員報酬と比較して異常なほど高い設定になっていないか、または役員が実質的には労働をしていないにもかかわらず報酬が支払われていないかどうか、など、微細な点まで検証します。
今回、私たちは税務調査で注目されやすいポイントと、役員報酬の市場価値、そして税務調査時に特に注意を払うべき重要な要素について、詳しく解説していきます。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也 (うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
役員報酬と給与との相違点について解説
役員報酬とは役員に対する報酬で、従業員に支払う給与と同一視する方もいらっしゃるかもしれませんね。
だが、従業員への給与は全額を損金として算入することができますが、役員報酬については特定の条件を満たさないと損金として算入することは許されません。
以下、損金に計上できる具体的な役員報酬の例をご覧ください。
定期同額給与
事前確定届出給与
業績連動給与
1.1 定期同額給与について
定期同額給与とは、名前の通り、定期的に同じ金額を支払う報酬のことを指します。
この報酬は1ヶ月以下の一定期間ごとに支払われ、支給時期に一貫した支給額が求められます。これが損金算入の前提条件となります。
1.2 事前確定届出給与について
事前確定届出給与とは、支給時期と金額を事前に定め、その通りに支払われる役員報酬のことです。
この種の給与を支払う際には、株主総会等で決議を経て、事前確定届出給与に関する届出書を税務署に提出することが必須となります。
税務署への届出を怠った場合、損金に算入することは許されません。
1.3 業績連動給与について
業績連動給与とは、その名の通り、会社の業績に連動して支給される役員報酬を指します。
業績連動給与を損金に算入するためには、同族会社でない法人であり、給与算定の基準を客観的な指標(有価証券報告書等)に基づけていること、そして給与の算定方法を公開すること等が条件とされています。
役員報酬の決め方の流れ
役員報酬の総額は、まず株主総会で決定します。
その総額が確定したら、次に取締役会で各役員の報酬の配分が決定されます。
取締役会を設けていない企業の場合、配分の決定は代表取締役が行います。
役員報酬の設定は、来期の収益を予測し、その収益見通しに即した額を計画します。
ただし、役員報酬が高く設定されると、企業が負担する社会保険料は増加しますが、一方で法人税額は減少します。
一方で、役員報酬が高額になると、役員個人が負担する所得税や住民税の負担も増えます。
役員報酬を設定する際には、収支計画を作成し、税金のシミュレーションを行い、社会保険料や法人税のバランスを考慮して最終的な額を決定することが重要です。
2.1 役員報酬の相場はいくらなの?
人事院による民間企業における役員報酬(給与)調査によると、平成30年の企業規模別、役名別の平均年間報酬は以下の通りとなっています。
参照元
税務調査に備える:頻繁に指摘されるポイントを理解する
頻繁に期首の3ヶ月間以内の定期同額給与の変更について問われるところです。しかし、役員報酬を適切に調節すれば、法人税額を巧みに削減できるのです。
例えば、予想以上の利益が得られた場合、役員報酬を上げることで法人税額を抑制できます。だからといって、軽々しく報酬の調整をすると、税務調査で適切な報酬額か、途中で変更していないかが厳しくチェックされます。
3.1 役員報酬の額は適切な設定がされていますか?
法人税法第34条第2項によると、役員に支給される給与のうち、不適切に高額な部分は、損金の額には算入されません。この”不適切に高額”とは何を指すのでしょうか?それは実質的な基準と形式的な基準によって判断されます。
実質的な基準は役員の職務内容、法人の収益状況、他の従業員との給与差、同規模の他社役員報酬等を基にします。例えば、役員が実質的に仕事をしていないにも関わらず高額の報酬を得ていたり、会社が赤字なのに役員報酬が過剰であったりする場合は問題視されます。
形式的な基準では、株主総会等で定めた報酬額を越えていないかどうかが調べられます。
3.2 みなし役員に対する報酬は、役員報酬として正しく扱われていますか?
みなし役員とは、役員登記はされていないが、事実上、経営に関与していると見なされる人々を指します。税務調査では、彼らが給与としてではなく、役員報酬として正しく報酬を受け取っているかが重要な観点となります。
特に、同族企業においては、配偶者や子供などが事実上の経営を担っている場合が多いため、こうした点には特に注意が必要です。
3.3 前期と比較して役員報酬に大幅な違いはありませんか?
前年度と比べて、役員報酬が急増したり、大幅に減少したりしていると、何らかの不正が疑われることがあります。そういった状況では、調査官から厳しい指摘を受ける可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
税務調査では、役員報酬について多くのチェックが行われます。同業他社の役員報酬や従業員の給与と比較して、適正な役員報酬を設定することが重要です。
さらに、みなし役員の報酬も、給与ではなく役員報酬として正しく扱うことが必要です。役員報酬の設定やみなし役員の報酬の取り扱いに不安がある場合は、税務調査に詳しい税務調査レスキュー110番までお気軽にお問い合わせください。初回のご相談は無料で承っております。
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