税務調査のプロセスと”対象となりやすい”会社の特性を解説!
2023.10.05
税務調査、一体どんな会社が狙われやすいのでしょうか。そして、そもそも税務調査とは何でしょう。そして、その手続きはどうなっているのでしょうか。これらは全て私たちが理解すべき重要な事項です。
本記事では、税務調査の全体像から詳細な流れ、さらに税務調査に引っかかりやすい会社の特性について、簡単でわかりやすい形で解説しています。もし自社が税務調査を引き寄せる可能性がある特徴を持っていると感じたら、その対策についてもこの記事で探し出してください。税務調査に対する不安を払拭するための一助になること間違いありません。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也 (うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
税務調査のABC…
税務調査は、大まかには「強制調査」と「任意調査」の二つに分類されます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
1.1 「任意調査」- 税務調査の主役
年間を通して行われる税務調査の大部分を占めるのが「任意調査」です。 「任意」という言葉から自由に調査を受けるか選べると思うかもしれませんが、実際には任意調査の拒否は許されていません。
任意調査は、対象者の承諾を基に進められますが、それは対象者には税務調査への協力義務(受忍義務)があるからです。
調査の主な目的は、適切な申告が行われているかをチェックし、誤った認識を持っている対象者への指導を通じて正確な申告・納税への道筋をつけることです。
1.2 任意調査の手順は?
任意調査は「プレ調査」と「本調査」の2段階に分けることができます。
プレ調査
プレ調査では、「机上調査」を税務署内で行ったり、「外観調査」で倉庫や店舗を外側からチェックしたり、また「呼出調査」で対象者を税務署に呼び出したりします。これらは全て「本調査」を行うべきかを決定するための工程です。
本調査
本調査が決定した場合、対象となった事業者には調査の予定や訪問日、調査目的などの基本情報が電話などで事前に通知されます。
必要な書類の準備に数日間の猶予をもらうことが一般的ですが、合理的な理由がある場合、日程の調整も可能です。
〈調査当日の流れ〉
調査の当日には2~3名の調査員が事務所を訪れ、調査の詳細について再度説明します。代表者は質問に回答し、求められた資料を提出するなど、調査に協力することが求められます。調査期間は通常2~3日間で、一般的には午前10時から午後4時までに行われます。
さらに、「一般調査」や「現況調査」、「反面調査」(取引先への確認)など、本調査はさらに細かいカテゴリーに分けられます。
1.3 任意調査は、比較的穏やか
任意調査の本質的な目的は、対象者が適正な申告・納税を行っているかをチェックし、必要に応じて指導することです。そのため、調査を妨げたり、不正行為をしたりしない限り、調査は通常穏やかに進行します。
ただし、任意調査でも事前通知なしで調査に訪れる「無予告調査」が行われることがあります。これは通常の調査では判明しない事項がある場合に実施されるものです。無予告調査であっても任意調査であるため、「書類を準備する時間が欲しい」「税理士が同席するので、その到着後に調査を開始して欲しい」といった要望は通常受け入れられます。
1.4 強制調査の全貌とプロセス
任意調査が事前の承諾を得て進められるのに対して、強制調査は予告なしで、強制的に税務調査が行われます。
税務調査にターゲットにされやすい会社のパターン
税務調査の概念と種類についての理解を深めたところで、次は税務調査に選ばれやすい会社の特性について触れてみましょう。以下で紹介するいくつかのポイントについて、自社が該当していないかを確認してみてください。
2.1 長い間、税務調査を受けていない
一般的に新規事業を立ち上げた後の4~5年以内には、少なくとも1度は税務調査の対象になることが普通です。
しかし、「10年以上税務調査を受けていない」あるいは「事業を始めてから何年経っても一度も税務調査を受けたことがない」といった会社も存在します。 このような状況は、反対に考えれば、いつ税務調査が訪れても不思議ではないということです。 税務調査を一度受けて大きな問題がなかった場合、その後4~5年は調査対象となりにくいものですが、何か問題があれば毎年のように調査を受ける可能性もあります。したがって、税務調査を受けていない期間は重要な参考指標となり得ます。
2.2 利益率が低い、または収益と経費のバランスが不適切
税務署は、過去から現在までの大量の申告データを蓄積しています。
そのため、同業他社と比べて利益率が大幅に低い会社や、売上が急速に伸びているのに利益が少ない会社、あるいは経費が急増している会社などを見つけ出し、調査の対象にすることができます。
最近の申告で上記のような状況になっている場合、不正やミスがなかったとしても、税務調査の対象になる可能性は高くなるでしょう。
2.3 特定の業界に所属している
税務署は、「修正申告の頻度が高い業種」についても注意深く監視しています。
例えば、バーやスナックといったいわゆる風俗営業や、国籍が不明確な飲食店、建設業やIT関連会社などが該当する業種です。規模が小さくても、他の業種に比べて税務調査の対象になる可能性は高くなります。
まとめ
税務調査には任意調査と強制調査があり、通常、行われるのは任意調査です。任意調査はさらに準備調査と実地調査に分けられ、税務署内での調査から取引先までを対象とする調査など、ケースによってさまざまな調査が行われます。
また、税務調査の対象になりやすい会社には特定のパターンが存在し、長期間調査を受けていない、申告内容に大きな変動がある、特定の業種に該当するなどのケースでは、調査対象に選ばれる可能性が高まります。
自社が税務調査の対象になりやすいか心配な場合は、税理士に相談するなどして、必要以上に恐れずに適切な税務調査対策を進めることが重要です。
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