休眠期間中の会社で起こるトラブルとその解決策を徹底解説!
2023.10.18
「休眠状態」の会社でも税務調査は行われるのか。仮に営業を一時停止したり、事実上の休眠状態になったりしたとしても、税務調査の対象から逃れることはできるのでしょうか。
この記事では、さまざまな状況下で休眠会社となったケースにおいて、税務調査がどのように実施されるのか、また休眠中に何が求められるのか、という点についてわかりやすく解説します。また、休眠会社を運営する際の注意点も丁寧に解説しています。新型コロナウイルスの影響で休眠会社となってしまった方々への対策も含め、読むことで皆様の経営に役立つ情報を提供します。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也(うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
目次
まずは休眠会社について解説
休眠会社とは、一般的には「営業活動が停止状態の会社」を指します。特定の理由で、一時的に営業活動がストップした会社がこれに該当します。
1.1 休眠会社とは?
過去12年間で登記更新が行われていない会社は、休眠会社として認識されます。
株式会社では、役員の変動や事業内容の変更など、多くの理由で登記更新が求められます。
その登記変更が12年以上実施されていない場合、該当の会社は休眠会社とみなされ、放置を続けると会社は解散手続きへと進んでしまいます。一方で、将来の事業再開を視野に入れている、または一時的に営業を停止したいだけの場合は、適切な手続きや届け出が必要です。
1.2 休眠会社になるメリットとは?
休眠会社の利点は何でしょうか?休眠会社は、会社の廃業に比べると事業再開がしやすく、また許認可の再取得の手間を省けます。税金についても、法人税、消費税、場合によっては法人住民税の軽減も受けられます。
そのため、現在営業停止状態の会社がある場合、休眠会社としての手続きや届け出を考えてみてはいかがでしょうか。
休眠会社にするための手続きや届出について
実際には、休眠会社とするための「休眠届」というものは存在しません。それゆえ、法的に休眠会社とするための手続きや届け出について、以下で詳しく説明します。
2.1 税務署・税事務所への届出
まず始めに、会社を管轄する税務署や都道府県税事務所へ異動届出書を提出します。これには、休業することを明記します。
消費税の納税義務者であれば、納税義務者でなくなることを税務署に届け出ます。給与を支払う事務所であれば、その廃止届も提出しましょう。
2.2 地方自治体への届出
次に、市役所や区役所、町役場など地方自治体へも、異動届出書を提出します。税務署と同様に、休業することを明記します。
2.3 年金事務所への届出
休眠会社が社会保険等加入事務所である場合、年金事務所への届出も必要です。「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」と呼ばれる用紙に必要事項を記入して、届出を行います。
2.4 休眠会社になる際の注意点は?
休眠会社になるために休業届を提出する際、異動届出書と合わせて営業停止が明確になるような書類の提出が求められることがあります。
休眠会社では法人住民税について軽減措置を享受できますが、法人住民税の均等割は引き続き支払いが必要となります。
また、休業届を出さずに登記の更新を行わない方法で休眠会社とする場合、休眠状態を継続できずに自動的に解散へ移行してしまう可能性があることに注意が必要です。
休業届を出して休眠会社とし、役員の変更などの登記更新を行うことが必要となります。
登記更新の費用や法人住民税のコストを考慮した場合、会社の廃業の方がメリットが大きいと感じる場合もあります。判断に迷ったら、税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
休眠会社でも税務調査の対象になりうる
直球ストレートからお伝えしましょう。休眠会社だからと言って、税務調査が全く来ないわけではないのです。それには次のような理由が考えられます。
3.1 休眠会社も例外なく確定申告が必要
手順通り休眠会社にした場合でも、形式的には休眠状態の場合でも、会社が存続している限りは確定申告の義務があります。
内容やビジネスの状況によって、税務調査に引っかかる可能性もゼロではありません。
「営業停止しているのだから、申告する必要ないよね?」と考えて申告を怠ると、無申告として調査を受ける可能性が増えます。
しかし、休眠届をきちんと出した会社の場合、毎年の税申告は「売上ゼロ」を主張するだけなので、とてもシンプルです。休眠手続きをするなら、毎年確定申告をすることを絶対に忘れないでください。
3.2 廃業ではなく休眠会社にするメリット
「休眠の届出をしても確定申告が必要なら、廃業した方が楽じゃない?」と考える方もいるでしょう。
廃業すれば毎年の申告手続きは省けますが、その代わりに解散登記や各種清算手続きが必要になるでしょう。
また、将来的に事業を再開する際には、新規の登記や許認可が必要になり、再開が難しくなります。さらに、税理士や行政書士への依頼費用も必要です。
休眠会社にするか廃業するかの判断は、「再開の意図があるか」「休眠と廃業のコスト比較」を基に考慮すべきです。
どちらを選んでも、突然の費用が発生するリスクを避けるため、税務調査や休眠手続きに詳しい税理士に相談することを強く推奨します。
まとめ
さまざまな理由で一時的に会社運営を休止するとき、税務署や役所に届け出て休眠会社にします。
休眠会社にすることで一部の税金が減免されますが、休眠状態でも確定申告は必須です。
申告を怠ってしまっている場合や、事実と違う申告をした場合、休眠会社であっても税務調査のリスクがあります。
休眠するか否かは、将来の事業再開の意図や廃業のコストと比較し、全体的に判断するべきです。
どちらの選択でも、迷ったら休眠手続きや税務調査に詳しい税理士に相談しましょう。
実績のある税理士は最適な方法をアドバイスしてくれますし、休眠状態でも行政からの問い合わせにも対応してくれるので安心です。
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