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税務調査に備え、手堅く現金管理を進める秘策とは?

2023.10.24

税務調査は、あなたが想像するよりも、一層深くディープダウンします。申告書、過去の帳簿、請求書などの書類チェックはもちろん、現金残高まで細かくチェックされます。特に、現金のやり取りが主な業務を形成する業種においては、現金管理はさらに重要性を帯びます。

ここでは、税務調査官が重視するポイントや現金に対する彼らの鋭い視線の理由、そして現金管理のスマートな方法を解説します。現金の流れが活発で、税務調査の対象になる可能性が近い場合、是非参考にしていただきたい情報です。

この記事の監修

税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士

植村悦也(うえむら えつや)

元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。

税務調査レスキュー110番
植村悦也

なぜ税務調査では現金取引が注目されるのか?

現金取引はその性質上、税務調査の要点となりやすい理由がいくつかあります。

1.1 散漫な現金管理が他の取引に対する疑念を生む

例えば、現金売上の記載と伝票の枚数やレジ打ちの履歴が一致しない場合、売上を少なくしていると疑いが生じます。

毎月の現金出納帳と実際の残高が一致していない、または怪しいレシートや領収書が見つかると、それが税務調査官の目を引くことは確実です。

現金取引の管理が不適切な場合、「経営全般にわたる管理の松散さ」を印象付けてしまうため、他の取引も疑われるリスクが高まります。

1.2 現金取引は帳簿操作が容易にできてしまう落とし穴

銀行経由での支払いや入金については、通帳やインターネットバンキングの画面で履歴を確認することができます。

しかし、現金取引では確かな履歴が残らない場合が多いため、一度帳簿操作や脱税の疑いが浮上すれば、その細部まで検証する必要が生じます。

そのため、現金取引に焦点を当てた調査が結果として多くの時間を税務調査に費やすことになり、ビジネス活動に影響を及ぼす可能性もあります。

通帳や入出金履歴では追跡できない現金取引について、伝票とレシートの整合性、タイムカード、さらには電話の通話履歴まで探りを入れる可能性もあります。

一方で、現金取引が適切に処理されていると調査官が判断すれば、その印象は良好に転じ、税務調査もスムーズに進む可能性が高まります。

税務調査で現金取引に対する疑惑を回避し、調査をスムーズに進行させるためには、何に注意すべきでしょうか。

税務調査において、現金取引に関する問題でスムーズに対応するための秘訣

税務調査で現金取引が問題とならないようにするため、以下のポイントに注意しながら現金を適切に管理しましょう。

2.1 「現金実査」にパスする

現金取引の多い業種、例えば飲食店や小売店であれば、税務調査に際して現金実査が行われる可能性は高いと考えられます。

現金実査とは、調査官が帳簿上の金額と実際の現金残高に不整合がないかを直接調査することです。

現金実査において、現金残高と帳簿や伝票に差異があると、「現金管理に問題がある」という印象を与えかねません。

結果、その差異が多ければ多いほど、他の申告や計上も問題視される可能性が高まります。したがって、レジのレシート控えや伝票とその日の現金売上を一致させることが重要です。

2.2 スムーズな調査に向けた管理を行う

現金実査に手間がかかると、他の調査項目や調査全体の時間、日数に影響が及びます。

その結果、取引先や従業員に迷惑をかけたり、店舗であれば休業しなければならない状況を引き起こしたりする可能性があります。

確認や照合がしやすいように、現金売上は毎日口座に入金し、「〇月〇日の売上」とメモして管理しましょう。

また、出納帳と手書き伝票、クーポンや予約などの履歴と実際の現金が一致しているか、また正当性を説明できる状況にしておくことも大切です。

2.3 ビジネス活動の透明性を確保する

個人商店で営業していると、知らず知らずのうちに独自のルールができてしまい、適切な管理を行っている証明が難しくなることがあります。

例えば、忙しい時に現金売上を一時的に保管し、後からまとめてレジに打つような行為や、伝票の書き忘れや誤記は、意図せずとも売上隠しが疑われることがあります。

調査官が事前調査のために客を装い、店舗内を調査している可能性もあります。その際にレジ打ちが行われていない現場を目撃されれば、「現金管理が不適切な経営者」としてマークされる可能性があります。

これらのリスクを未然に防ぐため、誰がいつ見ても問題ないよう、ビジネス活動の透明性を確保しておくべきです。

2.4 現金取引以外の申告・納税も適切に行う

現金取引だけでなく、それ以外の申告も間違いがないようにしましょう。

スタッフの所得税計算や社会保険に漏れがないか、仕入れや経費の計上に私的な支出を含んでいないか、個人的な取引と仕事上の取引が混在し、解読が難しくなっていないか、といった点も見直すことが大切です。

個人の支出と仕事とはきちんと分けて管理し、休業や営業時間の変更、価格の改定など、売上に関わる事項については、説明できるようにしておくべきです。

2.5 管理に自信がない場合は専門家に相談する

「現金の取引が多く、きちんと管理したいが時間がない」「スタッフの入れ替わりが激しく、レジ操作でミスが多い」といった理由で適切な現金管理が難しい場合、専門家に相談するのも一つの解決策です。

もし現金管理に自信がなく、税務調査に不安を感じるなら、信頼できる税理士事務所に相談しましょう。

お金のプロである税理士に任せることで、時間をかけても間違いが起きる現金管理の負担から解放され、税務調査もスムーズに進めることが可能になります。

まとめ

クレジットや電子決済の普及にも関わらず、日本では現金取引がまだ主流であり、飲食店や小売店の現金管理が適切かどうかは、税務調査で確認されます。

現金実査で適切な管理が確認されれば、その後の調査も円滑に進む可能性が高いです。日々のビジネス活動での透明性を保つことで、現金取引も視認しやすくしましょう。

自信がない場合は、税務調査対応や現金取引、個人経営のサポートなどに強い税理士に相談することを強くおすすめします。

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