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青色申告と白色申告、その選択が税務調査にどう影響する?

2023.10.16

あなたが1年間に稼いだ収入と、その中から差し引かれるべき経費を計算し、最終的な所得と納税すべき所得税の額を決定する。これが確定申告の一連の流れです。

一方、青色申告と白色申告という名前を聞いたことはありますか?これらは、確定申告の方法を2つに大別したものです。

さらに、税務調査というのは、納税者が適切な申告と適正な納税を行っているかどうかを検証するための税務署によるプロセスです。

皆さんの中には、「青色申告と白色申告の選択によって、税務調査に違いが出る」という話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。しかし、その真実性はどうなのでしょうか。

そこで今回は、青色申告と白色申告が、税務調査にどのように影響を及ぼすのか、詳しく分かりやすく解説します。

この記事の監修

税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士

植村悦也(うえむら えつや)

元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。

税務調査レスキュー110番
植村悦也

青色申告と白色申告の本質的な違いとは何か

税務調査が青色申告と白色申告の選択によって変わるか、その答えを得る前に、まず青色申告と白色申告の核心的な違いを見ていきましょう。

1.1 青色申告を解説

青色申告では、複式簿記という名の記帳方法を使って帳簿を作成します。

確定申告に際しては、青色申告決算書と賃貸借対照表、損益計算書の提出が必須となります。

更に、仕訳帳や現金出納帳、売掛帳、買掛帳、総勘定元帳、固定資産台帳などの帳簿の作成と保管が要求されます。

青色申告の魅力は、

最大で65万円の青色申告特別控除が適用可能

赤字を最長3年間繰り越すことができる

青色事業専従者給与(家族に支払った給与)を経費として計上できる

30万円未満の少額減価償却資産を一括で経費に計上できる

などのメリットがあります。

1.2 白色申告を解説

一方、白色申告は、単式簿記というシンプルな記帳方法で帳簿を作り、確定申告の際には確定申告書と収支内訳書を提出します。

会計に詳しくない方でも、この単純な方法で帳簿作成ができるので、申告書の作成が比較的容易という利点があります。

さらに、青色申告では申告をする年の3月15日まで、または開業から2か月以内に税務署に青色申告承認申請書を提出し、承認を受ける手続きが必要ですが、白色申告ではその手間が不要です。

しかし、白色申告には青色申告のような特別控除などのメリットは無く、節税効果を得ることはできません。

確定申告の方法が税務調査の結果に影響する?

確定申告の方法が、税務調査の頻度や結果に影響を及ぼすことはありません。

しかしながら、青色申告と白色申告の選択は、税務調査の手続きにいくつかの違いを生む可能性があります。

2.1 青色申告と白色申告で税務調査の可能性が変わる?

「青色申告を選んだからといって税務調査の対象になりやすい」「逆に、白色申告を選んだら税務調査の対象外になる」といった話を耳にしたことはありませんか?

青色申告を行う人々は一般的に高所得者であるというイメージからこのような誤解が生まれている可能性がありますが、確定申告の方法によって税務調査の可能性が変わることはありません。

青色申告者であろうと白色申告者であろうと、全ての納税者は税務調査の対象となり、その税金の納付状況が適切であるかどうか調査されます。

2.2 青色申告時の税務調査の特徴

青色申告の税務調査では、税務調査官が帳簿の中身や請求書、領収書などを精査し、記載漏れや計上時期の誤り、売上の低誤計上、また架空の雇用による人件費の高計上などの不正がないかを検証します。

帳簿や領収書、請求書、タイムカードなど、売上や経費を証明する書類を適切に保存し、正確に売上や経費を記帳していれば、税務調査が行われても問題は発生しません。

ただし、青色申告者として領収書や請求書など、売上や経費を証明する書類を保存していない場合、青色申告者の資格が取り消され、白色申告者としての取扱いを受ける可能性があります。

2.3 白色申告時の税務調査の特徴

白色申告の税務調査では、一見、物語のようなミステリーが展開されます。帳簿、領収書、請求書などのヒントを元に、売上と経費の計算が正確に行われ、税金の納付額が適切であるか否かが追求されるのです。

しかし、警察ドラマのように、簡易的な記帳方法を採用しているからといって、調査員が記帳のミスを見逃すような場面はまずありません。また、領収書がなくても大丈夫だと思っている場合、そこは一大事!税務調査では、白色申告でも青色申告と同じく、正確さが求められます。

白色申告で、もし帳簿や書類の管理にずさんさが見られ、売上や経費を証明できない状況に陥った場合、推計課税という、凍てつくような風が吹きます。この制度は白色申告者のための特別な制度となります。

記帳内容が曖昧だったり、支出の証明となる領収書が見つからなかったり、売上を示す請求書が保存されていなかったりすると、正確な所得額がつかめず、真っ暗闇になります。そんな時、同業他社の状況が灯台となり、同規模の法人が得ている所得を基準に、推計により所得額が決定されます。これこそが推計課税の現実です。

2.4 推計課税の恐ろしいリスク

推計課税は、ある種のギャンブルです。実際の所得が確定できないため、他社の所得をルーレットのように回転させて、税金の額を決定します。しかし、これは怖いギャンブルで、実際には他社ほどの所得がなかった場合、本来納めるべき額よりも多くの税金を納めるリスクがあります。

さらに、推計課税の怖さはそれだけではありません。消費税の仕入税額控除も受けることができません。これは、自社が支払うべき消費税から仕入れにかかった消費税を差し引くことができる特典なのですが、これが受けられないと、消費税の納税額も増えてしまいます。

帳簿や書類の保管が適切でなかった場合に適用される可能性がある推計課税は、所得税だけでなく消費税にも大きな影響を及ぼす恐怖の存在なのです。この恐怖から逃れるには、帳簿や書類の管理をしっかりと行うことが最善の策と言えるでしょう。

まとめ

青色申告でも白色申告でも、帳簿を適切に管理し、必要な書類を保管していれば、税務調査が入っても畏れる必要はありません。

ただし、白色申告のケースでは、帳簿の管理が適切でない、あるいは経費や売上を裏付ける書類の保管が不十分であった場合、推計課税制度の適用というリスクがあります。これにより、本来の税額を超える所得税や消費税の支払いが求められる可能性があります。

さらに、インボイス制度の導入により、今後消費税の計算はより複雑になると予想されます。確定申告や消費税についての不安や疑問がある方は、税務調査に精通した「税務調査レスキュー110番」にお気軽にご相談ください。

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