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転売目的で購入した場合に関する消費税免税適用範囲について

2023.10.03

新型コロナウィルスが引き起こした閉塞感が和らぎ、街中で再び外国人観光客の姿を多く見かけるようになりました。彼らが来店し、商品を大量に購入する光景も戻ってきたでしょう。

観光客が自分自身の使用やお土産として商品を購入するとき、それらは消費税が免除されます。しかし、驚くことに、商品を転売目的で購入した場合、消費税の免税は適用されません。これを知っていましたか?

今回は、2022年末にアップル・ジャパンに科された追徴課税のニュースを通じて、転売目的での購入時における消費税の取り扱いについて明らかにします。実はあまり知られていない税法の面を理解し、自己のビジネス戦略に活かしましょう。

この記事の監修

税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士

植村悦也(うえむら えつや)

元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。

税務調査レスキュー110番
植村悦也

誰もが知る大企業に対しての140億円追徴課税

「iPhone」で知られる世界的IT大手、アップル社の日本法人、アップル・ジャパンが、転売を疑われる取引において消費税の免税販売を行ったと、東京国税局から指摘を受けたというニュース。それが一体どのような状況だったのでしょうか。

1.1 あなたが知らない免税販売の謎について解説

免税販売とは、日本を訪れた外国人観光客などに対し、特定の商品(一般物品や消耗品)を、消費税を免除して販売するシステムです。これは免税店として認定を受けた店舗のみが行うことができます。

この免税対象になる商品には、ファッションアイテムから電化製品まで、幅広いアイテムが含まれます。ただし、一日に5000円以上を一店舗で購入した外国人観光客に限ります。

しかし、大切なことは、これらの商品が生活用品としてではなく、ビジネス目的や転売目的で購入される場合は、免税販売の対象外となるというルールが存在することです。

1.2 同一商品を一度に数百台も購入する行為は転売目的の可能性が高い

アップル・ジャパンの直営店であるアップルストアでは、一人の外国人観光客が一度に数百台ものiPhoneを購入する事例がありました。数百台のiPhoneを自分自身の使用目的やお土産として購入するとは考えにくいですよね? これらは明らかに転売目的と見られます。

日本では、海外と比較してiPhoneの販売価格が安いため、この価格差を利用し転売を目的とする観光客が増えています。アップル・ジャパンはこれらの取引に対しても免税販売を適用していたため、税務調査で問題視されました。

結果として、2019年から2021年の2年間で、転売目的と見られる取引総額が1,400億円に達し、免税販売を行った消費税分の140億円がアップル・ジャパンに対して追徴課税されることとなりました。

税務調査では免税販売での不正な取引が増えつつある

アップル・ジャパンだけでなく、転売目的で大量購入した商品を免税販売している事例や、実は免税販売の対象とならない外国人への販売が後を絶ちません。これらの事例は税務調査で頻繁に発見されています。

東京の大手デパート3社が受けた税務調査では、消費税の免税販売の要件を満たさない取引が露見し、その結果約1億1,000万円の追徴課税が発生しました。

考えられる一例として、留学生が来日から1か月の間に、同じ化粧品を10回にわたり、49万円まで繰り返し購入していたというケースがあります。ここで気になるのは、なぜ1回の購入額を49万円に抑えたのか、その背後には何があるのかということです。

日本の物価は長らくデフレが続いていましたが、一方で海外ではインフレが進行中で、さらに2022年には円安が進行しました。この結果、日本と海外の物価差が拡大し、外国人観光客にとって日本はお得なショッピングの場となりつつあります。これからも、特に入国緩和が進むと、転売目的の大量購入が増える可能性が高まります。

2.1 転売を狙った取引の見つけ方

転売を疑うべき状況として、同一人物が同じ商品を大量に購入するケース、転売業者がSNSを通じて旅行客に勧誘し、免税購入させるケースがあります。

一方、日本に入国後6か月以上経過した外国人や、日本国内にある事務所で働く外国人は、基本的に免税販売の対象ではありません。しかし、観光客だけでなく、日本に留学する学生など、実際には日本に住んでいる外国人も転売に関わっているケースが増えています。

2.2 不正を見抜けない場合、重大な損失を被る事となる

税務調査では、転売目的である可能性が高い取引に対しては消費税が追徴課税されます。この追徴課税は、企業が負担しなければならないため、転売目的の取引を見抜くことが重要です。

また、転売目的が疑われる場合や、免税販売の要件を満たさない場合には、きちんと説明し、事前に問題を予防することが必要です。特にパスポートを確認して、日本の滞在期間が6か月未満であることを確認することが重要です。

まとめ

日本では、観光客に対し、出国後に使用するものや土産品の消費税を免税する制度があります。しかし、この免税制度を転売のために悪用する例が増えてきています。

免税販売を適用するには、細心の注意が必要です。もし、転売目的の免税販売が税務調査で発覚した場合、販売者側には追徴課税のリスクがあります。

新型コロナウィルスの感染拡大が収束し、観光客が増えてきた今、小売業界にとっては売上回復のチャンスでもありますが、転売目的の免税販売に対する注意も怠らないようにしましょう。

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