税務調査の改正により無申告者の経費追加申告ができなくなる?
2023.10.17
2022年の税制改正大綱が示す最新トレンド。その中でも注目すべきは、無申告者に対する後出し経費の制限と、税務調査後の帳簿提出不足に対するペナルティの設定です。これは何を示しているのか?それは無申告や所得隠しを行う納税者に対して、税務調査が一段と厳格になる兆しを示しているのです。
この文章では、税制改正に伴い税務調査がどのように変容し、どんなペナルティが新たに導入される可能性があるのか、その詳細についてご紹介します。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也(うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
目次
2022年税制改正により大筋が示す税務調査の新たな景色とは?
2022年の税制改正大綱からは新たな波が押し寄せます。「証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置」が新設され、税務調査で無申告や収入・経費の隠蔽、仮装が指摘された納税者にとって、後から提出する経費、いわゆる「後出し経費」の認知が以前とは違った形で対応されることとなります。
さらに、「帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置」も新たに導入されます。これは、無申告や過少申告が税務調査で明るみに出た場合、税務調査官からの帳簿提出要求に対して提出しない、または適切な記録を行わなかった納税者に対しペナルティを科す新制度です。
1.1 後出し経費の解説!規制する改正の背景に迫る
後出し経費とは、税務調査で無申告や隠蔽、仮装が指摘された後に初めて明らかにされる、これまで帳簿に記載されていなかった経費のことを指します。この中には、紛れもなく実際の経費が含まれている場合もあるでしょう。しかし、残念ながら、追徴税を最小限に抑えようと虚偽の経費を申告するケースも見受けられました。
税務調査後に大量の領収書を経費として提出する納税者も存在し、その領収書が妥当なものであるかを調査官が確認するための作業には相当な時間と労力がかかっていました。
税制改正大綱では、
「適正な記帳や帳簿保存が行われていない納税者は、真実の所得把握に係る税務当局のコストを増大させ、制裁適用時の証明が困難となる。記帳義務の不履行や税務調査時の簿外経費主張等に対する不利益がない状況では、悪質な納税者が利益を得る事例も見受けられている。」
との見解を示しています。
要するに、後出し経費の調査は大きなコストを伴い、それを認めることで不誠実な納税者が利益を得る事態も起きていたのです。こうした現状から、今回の税制改正では、無申告者や所得を適正に申告しなかった納税者に対し、より厳格な措置が執られることになったわけです。
後出し経費とその具体的な改正内容を細部まで明確に解説します
2023年1月1日から生效的な税制改正では、無申告や所得隠しの行為が税務調査により発覚した納税者の「後出し経費」の認可に大きな制限がかけられることが明らかになりました。ただし、あくまでも対象となるのは意図的な行為で、記帳のミスや知識不足による帳簿作成のミスに対しては寛容に対応されるとのことです。
具体的には、後出し経費が認められない状況として、納税者が帳簿や支払い先が明確に記載されている領収書を保存していないケースや、それらがあっても支払い先を確認できないケースが挙げられました。即ち、仮に帳簿に記載されていたとしても、領収書の発行元が確認できないという理由で、その経費は認められないとのことです。
しかし逆に、保存されている帳簿や領収書から取引とその費用の額が明らかで、かつ調査によりその取引が行われたことが明らかであれば、その経費は認められます。この改正の適用は、2023年1月1日以降に開始される事業年度からとなります。
2.1 無申告や帳簿不備に対する一歩進んだペナルティとは
確定申告の義務があるにも関わらず無申告の状態である場合、あるいは確定申告は行っていたがその内容に不正があり税務調査により所得を過少に申告していたことが明らかになった場合には、「無申告加算税」や「過少申告加算税」が課されます。具体的には、無申告加算税では納付すべき税額に対して15-20%、過少申告加算税では本来納付すべき税額の差分に対して10%のペナルティが加算されます。
この税制改正では、更に一歩進んで税務調査時に要求された帳簿を提出できない、または提出したが売上や収入の記帳が不十分な場合には、通常のペナルティに加えて更なるペナルティが課せられることとなりました。
この追加ペナルティは納税者の具体的な状況に応じて以下のように異なります。
・帳簿を提出できない場合や、売上または収入の1/2以上が記載されていない場合: 本則の加算税に加えて10%上乗せ
・売上または収入の1/3以上が記載されていない場合: 本則の加算税に加えて5%上乗せ
これらの改正内容を理解し、正しい税務処理を行うことが重要です。
税金の未申告については、迅速な対応が求められます
新たな税制改革により、申告漏れや過少申告者への税務調査が一段と厳格化し、厳重なペナルティが課される時代となりました。
確定申告の必要性を理解しながらも、その手続きについての知識が不足していて未申告の状態が続いている方、あるいは意図的に所得を過少に申告してきた方にとって、そのまま続けると税務調査が入り、大きな追加課税を命じられる危険性があります。何か疑問や不安があるなら、迅速に税理士と連絡を取り、次のステップについて相談することが肝心です。
まとめ
2023年1月より施行される税制改正により、未申告者や不正申告者への対応が強化されます。
帳簿や領収書に記載された支払先が明確でない場合、その経費を損金として計上することは認められなくなります。さらに、税務調査時に帳簿の提出が求められた際にそれに応じられない、または不十分な対応をした場合、新たなペナルティが課されます。
我々「税務調査レスキュー110番」は、税務調査を専門とする税理士集団です。初回の電話相談は無料で、土日祝日の対応も可能です。これまで未申告が続いてしまった、確定申告の方法が分からない、申告が適切だったのか自信がないといった方々、ぜひ気軽にご相談ください。
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