建設業界で税務調査の逆風を乗り切る!適切な対処法を解説!
2023.10.05
「建設業界では税務調査が頻繁だ」とよく聞きますよね。でも、具体的に税務署の調査員は何を見ているのでしょうか。ここでは、税務調査で注目されるポイントを明快に説明し、なぜ建設業に税務調査が多いのか、そしてそれを恐れずにどう対処すれば良いのかを解説します。
建設業に関わる経営者や個人事業主の皆様にとって、この情報はあなたのビジネスを更に向上させるための貴重な手引きとなるはずです。これからのビジネスにぜひお役立てください。
この記事の監修
税務調査レスキュー110番 税務調査専門の税理士
植村悦也(うえむら えつや)
元税務署長・元マルサ担当官などをパートナーに、税務調査専門の税理士として年間100件以上の相談を受ける税務調査対策のプロ。
追徴税額を0円にした実績も数多く、Googleクチコミ4.9という人気を得ている。
目次
建設業は税務調査の狙い目なの?
「建設業は税務調査の目を引きやすい」、これは本当に事実なのでしょうか?その背後にある理由を一緒に探りましょう。
1.1 税務調査は特定の業種に集中するの?
国税庁は毎年、実施した税務調査の総数や追徴課税額等のデータを「法人税等の調査実績の概要」として公開しています。その中でも「不正発見割合の高い業種」について10業種をピックアップしていますが、その中で土木・建築関連業が頻繁に挙げられています。
令和3年11月に公表された「令和2事務年度 法人税等の調査実績の概要」を見てみると、「一般土木建築工事」は6位、「職別土木建築工事」は7位にランクインしており、10位には「土木工事」が入っています。
1.2 建設業は一回の調査で大きな不正所得を暴く
さらに、一回の調査で発見される不正所得金額も建設業は大きいことが特徴的です。一般・職別土木建築工事では1,800万円以上、土木工事では1,300万円以上の不正所得が見つかることがあります。これも調査の焦点となる理由の一つでしょう。
これらの結果からも見て取れるように、年々税務調査で注目される業種として、建築・土木関連業界は税務署の注視を常に受けていると言えるでしょう。
建設業界で税務上の不正が起こりやすい理由とは?
建設業界ではどうして税務上の不正が見つかる頻度が高いのでしょうか?その主な要因を以下でご紹介します。
2.1 工事期間が長引くことが常
建設業界では、公共施設やマンション、ビルなどの建築工事は数年に渡って行われることが多いです。そのため、工事の進捗に合わせて、適切な期間で費用を計上する必要があります。しかし、この計上時期が適切でない場合が多く、「期ズレ」と呼ばれる現象が発生しやすいのです。これは、建設業の税務調査で調査官が最初にチェックするポイントでもあります。
例えば、黒字の現在の年度に、来年度以降に完成予定の赤字の工事費用を計上したり、逆に当年度に計上すべき黒字の収益を来年度に振り分けると、税務調査で問題とされ、修正申告を求められることになります。
2.2 間接工事費の計上が統一化されていない
建設業の工事は、「直接工事」(建物の建築に直接関わる作業)と、「間接工事」(建築に直接関わらない作業)に分けられます。この間接工事費については、直接工事費とともに適切に分配されるべきですが、その分配方法が一定でない場合、故意に損益を操作しようとしていると疑われる可能性があります。
2.3 人件費と外注費の区分けが曖昧なケースが多い
建設業の税務調査では、人件費と外注費の境界がどこにあるのか、という問題もよく調査の対象となります。例えば、塗装や防水などを個人事業主に外注した場合、それは本当に外注費で良いのか、それとも雇用関係にあるべきで給与として扱うべきなのか、という問題が出てきます。外注費とすることで消費税を控除できるため、人件費を故意に外注費として計上していないか、ということが調査でチェックされます。
各ケースで判断が必要であり、明確な法律やルールに基づいて計上することが重要です(消費税税法基本通達1-1-1参照)。
参照元
税務調査における、建設業の闘いの対応策は?
建設業の現場で税務調査の雷雲が近づくことを感じたら、さあどう対応するべきでしょうか?それを防ぐための秘訣を、以下に明らかにします。
3.1 紙一重の事実を切り取る台帳や契約書
外注業者へ提供する用具や指揮下で働く理由、そしてその詳細を事例ごとに書き留めた契約書は、雲を晴らすための魔法の杖となります。間接工事費の按分ルールも明示し、質問されたときにすぐ答えられるようにしておきましょう。
特に税務調査では、大金にまつわるものほど詳細な調査が入ります。
高額な工事費が生じる案件や長期に渡る工事を手がけた場合、台帳や契約書は事前に整理しておくことが肝心です。
3.2 実績ある税理士に信頼を寄せる
「このポイントは問題ない」と思っていたところが、3年以上後の税務調査で問題とされてしまうこともあります。書面に残しておかないことで、反論の余地なく多額の追加課税を受け入れざるを得なくなるケースを避けたいものです。
税務調査対応の実績を持つ税理士に相談すれば、調査時に一緒に交渉や説明をしてくれる可能性があります。
契約書や台帳を作る段階で、調査の観点を踏まえた書類作成をアドバイスしてくれるでしょう。
まとめ
建設業は毎年、税務調査が多い業界として国税庁のデータに名を連ねています。
一件あたりの不正額が大きいため、他の業種よりも建設業の会社は税務調査を受ける確率が高いと言えます。
その理由としては、工事が長期にわたる、大口の売上、期ズレや間接工事費の按分、そして人件費と外注費のルールの明文化の欠如が挙げられます。
これらの課題に取り組むための戦略として、書類を整理しておくことと、建設業の税務調査に詳しい税理士に相談することをおすすめします。早めの対策を立てることで、心地よくビジネスに取り組むことができるでしょう。
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